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ゼニカルとは、食事から摂取した脂質の体内の脂肪吸収を阻害し、する肥満を治療する薬剤です。重度の肥満やメタボリック症候群を治療するために開発された薬で、食事中に含まれる脂肪分の約30%を未消化のまま体外へ排出し、余計なカロリーや脂肪が体内に吸収・蓄積されるのを防ぎます。
アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けており、安全性の高い抗肥満薬として世界中で広く使用されています。
ゼニカルに含まれている有効成分「オルリスタット」には、肝臓に含まれる消化酵素であるリパーゼの働きを弱める作用があります。リパーゼは脂肪を分解する役割を持つ酵素です。オルリスタットはリパーゼ活性を阻害することで、摂取した食物に含まれる脂質の吸収を抑制します。リパーゼの働きを阻害することで、脂肪が分解されずに小腸から吸収されにくくなり、体内に脂肪が蓄積されるのを防ぎます。
参考:Orlistat (marketed as Alli and Xenical) Information/ U.S. FOOD & DRUG
吸収されなかった脂質は1-2日後に便として排出されます。おおよそ食事で取った脂質の30%前後が排出されると言われています。
資質を多く含んだ脂っこい食事が好きな方は、ゼニカルを服用することで脂質が原因の肥満を防止する効果が期待できます。
参考:XENical in the Prevention of Diabetes in Obese Subjects (XENDOS) Study/Jarl S. Torgerson, MD, PHD
参考:海外におけるオルリスタットの最近の使用状況 / 池田義雄
参考:This module reflects the initial scientific discussion for the approval of Xenical. This scientific
discussion has been updated until 1 November 2003. For information on changes after this date
please refer to module 8B /SCIENTIFIC DISCUSSION
人が太るのは、摂取エネルギーが消費エネルギーよりも大きいことにより起こります。
消費されなかったエネルギーはそのまま脂肪として蓄えられ、それが繰り返されることによって肥満が起こります。
人には基礎代謝といって、特に運動などをしていなくても消費される分のカロリーがあります。この基礎代謝と運動などにより消費されるカロリーの合計が、摂取カロリーよりも下回っていると、その差が脂肪として体に蓄積されるのです。
特に食事で取る脂肪は1gあたり9kcalであり、1gあたり4kcalといわれてる炭水化物やタンパク質よりも効率的にエネルギーを摂取することができる栄養素です。
生物学的には、より少ない量で効率的にエネルギーを摂取できる脂質ですが、同じ量のタンパク質や炭水化物を食べた場合と比較すると、脂質のほうが太りやすいというリスクがあります。
また、摂取エネルギーと消費エネルギーの関係以外で人が太る理由には、以下が挙げられます。
これらが理由で摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れて、肥満に近づくことが考えられます。
食べ方は、朝食を食べずに夕食にまとめて食べることや早食いが、太りやすい原因だといわれています。
朝・昼・夜に分けて食事をすることや、栄養バランスを考慮して食べることが大切です。
寝不足は食欲を抑制するホルモンであるレプチンの効きを弱くし、食欲を増進するグレリンの働きを強くします。
そのため、睡眠不足だと満腹を感じにくくなり、食べすぎてしまうことがわかっています。
ストレスや不安感の強い方は、それらから逃げたい気持ちや忘れたい気持ちから、食べる量や食べる頻度が多くなってしまうようです。
ストレス発散の感覚で食べすぎてしまったり、甘いものやジャンクフードを食べてしまったりして肥満に近づくことが予想されます。
また、遺伝的な理由から肥満になりやすい、なりにくいことがわかっています。
どちらかというと食生活やライフスタイルによる影響が肥満とは大きく関係しているようです。ただし、遺伝も関連していることから、ご両親やご親族に肥満の方が多い場合は、ご自身も太りやすい可能性があることを覚えておきましょう。
結論からお伝えすると、ゼニカルは脂肪の吸収抑制をする医薬品であるため、脂肪分の多い食事をする方が選択することが多いです。
厳密には、痩せるための治療方法は多岐にわたるため、ここではそれらについて紹介していきますね。
痩せるための方法を大きく分けると、食事療法・運動療法・行動療法・薬物療法・外科的治療・医療痩身などが挙げられます。
これらの中でも、ゼニカルによる治療は薬物療法に含まれます。
肥満の程度や個人の状態にもよりますが、食事や運動だけでは体重の減少が難しく、かといって何らかの事情で脂肪吸引などの外科的治療はできない方にとっては、薬物治療が適している場合が多い傾向にあります。
そして、薬物治療といっても、以下のように複数の選択肢があります。
余談ですが、医薬品には、製薬会社が名付ける商品名と、有効成分の名前である一般名の2つの呼び名があります。
ここでは商品名の右に一般名を記載します。
また、/の前後に記載している医薬品は有効成分が同じであるものの、販売元が異なり、医師目線からでも有効性や安全性の観点から使用感に多少の違いがあるものです。
医薬品のなかには同じような効果を持つものがあっても、作用機序の違いから、現れる副作用が異なる場合があります。
例えばトピナという薬は、食欲を抑える効果によって体重減少が期待されますが、主な使用目的はてんかんを抑えるために使用されます。
ゼニカルも痩せる効果が期待できますが、こちらの作用機序は脂肪の吸収を抑えることです。そのため、トピナと同様に体重増加を抑える効果が期待できても、副作用はまた違うものが発生します。
さまざまなお薬がありますが、体質やお体の状態によって適切なものもあれば、適さないものがあるため、ご自身に合うものを選ぶことが大切です。
また、薬物治療に関して、一般の方に認識しておいて欲しいことがあります。
糖尿病治療のように肥満と関連のある病気の治療薬にSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬がありますが、疾患の治療ではなく、単純にダイエット目的の処方だと自由診療の扱いとなることを覚えておきましょう。
特に、GLP-1受容体作動薬は、糖尿病治療という本来の使用目的に反して、ダイエット目的で処方されるケースが増えています。
実際の処方は医師の判断や患者さんの同意があってされているものですが、健康な人がGLP-1受容体作動薬などを使用すると副作用のおそれがあります。
そもそも糖尿病治療という主目的に反することから、医薬品の不適切使用にあたるとして、規制される動きがみられていることは認識しておきましょう。
ここからは、脂肪吸引や胃バイパスなどの外科的治療や痩身のための美容医療と、ゼニカルを比較してみましょう。
結論をお伝えすると、体に直接メスをいれる行為が気になる方や、施術の効果が信用できない方にとっては、ゼニカルのほうが良いかもしれません。
まず、脂肪吸引は、吸引できる部位の選択が可能で部分痩せが可能、直接脂肪細胞を取り除くためダウンタイムの後は痩身を実感しやすく、脂肪細胞の絶対数が減るためリバウンドの抑制効果も期待できる手術です。
一方で、脂肪吸引による体への負担が小さいものではなく、吸引をした部位が目立ちにくいなどの利点はあれど、赤みや腫れ、肌の拘縮などダウンタイムが落ち着くまでは1ヶ月〜2ヶ月を必要とする傾向にあります。
吸引する脂肪の量や医師の手技によっては痩身を実感しにくいリスクがあり、また、吸引中に体内の大事な血管や内臓を傷つけたことから死亡事故につながった例も、少数ではありますが報告があります。
他の手術では、胃を小さくする胃バイパス手術や胃スリーブ切除術、食べる量を調節するために胃の上部にバンドを取り付ける胃バンディング術などがあります。
胃からは食欲を増加させるグレリンというホルモンが分泌されているのですが、胃の一部を切除することで、グレリンの分泌を抑制することが可能です。糖尿病患者さんが受けることもあります。
痩身系の美容医療の施術には、脂肪溶解注射やクールスカルプティング、脂肪を分解するレーザー治療などが挙げられます。
手術ではないため、外科的治療と比較すると、受けるハードルはまだ低いほうかもしれません。
脂肪溶解注射はデオキシコール酸などを注射することにより、脂肪細胞を分解・燃焼させ、注射部位の脂肪を減らす施術です。
デオキシコール酸以外にも、代謝に役立つ成分や、むくみ解消が期待できる成分など、肥満解消に役立つ栄養成分を含んでいることが多いです。
副作用や注意点としては、注射部位の内出血や腫れ、稀に血栓ができて血管が詰まることなどが挙げられます。
クールスカルプティングは脂肪細胞だけを凍結させる温度で照射を行い、脂肪細胞を破壊し、老廃物として体外に排出させる施術です。
脂肪細胞が凍結する温度は他の細胞と異なるため、皮膚や血流はクールスカルプティングの影響を受けません。
凍結した脂肪細胞は自然な代謝によって体外に排出されるため、効果を実感するまでには1ヶ月〜4ヶ月ほどの時間が必要です。施術部位に赤みが残ること、内出血が起こることもあります。
レーザー照射による痩身は、エネルギーを収束させたレーザーを脂肪細胞に照射することにより、脂肪を分解し、自然と体外に排出されるのを待つ施術です。
原理としてはクールスカルプティングや脂肪溶解注射と似ているところがあります。施術部位に熱感や筋肉痛などを生じる場合があります。
全体的な注意点としては、外科的治療と医療痩身、どちらも薬剤治療より高額になる傾向です。
外科的手術のほうが副作用など術後のダウンタイムが強く、美容施術は内出血や腫れが生じることもありますが、外科的手術よりも軽度であることがほとんどです。
ゼニカルのような薬物治療では、1ヶ月単位の費用ではなく、服用期間のトータルで費用を考えたほうがよいです。
薬物治療だと毎月などの決まった期間で定期的に購入が必要なため、外科的治療や医療痩身と比較してどちらが経済的か、費用が気になる方は把握しておきましょう。
自分に適していると感じた治療法であっても、持病や体調によってその治療を受けられない場合があるため、気になる施術については医療機関で医師の判断を受けることが大切です。
参考:FDA Drug Safety Communication: Completed safety review of Xenical/Alli (orlistat) and severe liver injury / U.S. FOOD & DRUG
食事から摂取される脂質30%の吸収を抑制します。
主成分のオルリスタットが肝臓に働きかけることで、吸収の抑制がされます。それにより、ダイエット効果を感じていただけます。
ゼニカルは1回1錠、1日3回まで飲むことができます。
現在の体重や目指したい体型によっては、医師からの服用回数を少なめにするよう指示されることもあります。医師からの服用回数の指示があった場合は、医師の指示に従ってください。
ご本人の用途に合わせて、ゼニカルの服用は1日3回を上限に調整が可能です。
副作用 | 油斑、排泄時のガス、油分を含む便、油の排泄、排便回数の増加、脂溶性ビタミンの不足など |
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注意事項 |
ゼニカルを使う際は、トイレにこまめに行くように心がけることをおすすめしております。 食べた食事の脂質を排出させる薬のため、日頃よりも油っぽい便がでやすくなります。 便がゆるくなることと、気づかないうちに便が排出されることもあります。 日頃よりも油っぽい便が出るので、トイレ掃除が大変になることがります。 |
注意事項 |
ゼニカルを使う際は、肌のかさつきを感じやすいこともあります。 日頃から油をあまり取らない食生活を送っている人の場合、ゼニカルによって体外に油を排出させることで、体内の油分量が不足することがあります。 そのために、肌のうるおいも不足して、かさつきを感じることがります。 肌のうるおいときくと「水分」を連想しがちですが、実は「油分」も重要な役割を持っています。 油分が不足することで、肌の水分と油分のバランスが取れなくなり、肌状態が悪化することがあります。 |
注意事項 |
体外に油が排出されるため、脂溶性ビタミンと呼ばれる、油に溶ける性質を持つビタミンも一緒に排出されやすくなります。 ビタミンが排出されることで、肌状態が悪化してしまうこともあります。 ビタミン不足を予防するため、サプリメントなどでビタミンを補給しながらゼニカルを使用しましょう |
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