Travel Thailand

タイ渡航前ワクチン・予防接種

はじめに

今回はタイへの旅行や出張を計画している方に向けて、
渡航前に受けるべきワクチンについてお話ししたいと思います。

異なる環境での健康リスクを事前に把握し、予防策を打つことで
安全かつ快適な旅行を楽しみましょう。

具体的な健康状態や旅行計画によって異なる可能性がありますので、
出発前にはかかりつけの医師や旅行医療の専門家に相談することが重要です。

タイ旅行に行く前に
打つべきワクチンは?

タイの気候と流行っている感染症

タイの気候は熱帯性であり、高温多湿な環境が特徴です。
この気象条件はさまざまな感染症の発生を促進する可能性があります。

主な季節は乾季と雨季に分かれており、観光シーズンとして人気があるのは乾季である11月から4月までの期間です。
この時期は気温が比較的高く、湿度が低い傾向があります。
そのため、一般的な風邪や感染症の発生率が低くなる傾向があります。

一方、雨季は5月から10月まで続き、モンスーンの影響を受けるため、高い湿度と大量の降水量が特徴です。これは感染症のリスクを増加させる可能性があります。湿度が高まると細菌やウイルスの繁殖が促進され、感染症の拡散が懸念されます。

また、洪水や水がたまりやすい地域では蚊が増殖し、デング熱やマラリアなどの蚊媒介疾患の発生が増加する可能性があります。
タイで流行している主な感染症にはデング熱、チクングニア熱、マラリア、狂犬病、コロナ、鳥インフルエンザがあります。
これらの感染症から身を守るために、事前に適切な予防接種を受けることが重要です。

受けておきたい予防接種と値段

デング熱

デング熱は蚊を介して広がる感染症で、タイを含む熱帯地域や亜熱帯地域で広く見られる感染症です。
この感染症は蚊によって伝播され、感染者から蚊へ、そして別の人へと感染が広がります。
雨季の間、蚊の生息が増加し、デング熱の発生リスクが高まります。

症状としては発熱や頭痛、関節痛などがあります。予防策としては、虫よけ剤を使用し、蚊よけ対策を徹底することに加え、ワクチンが効果的な手段となります。
ワクチンの値段や接種スケジュールについては、お気軽にお問い合わせください。

チクングニア熱

チクングニア熱は、デング熱同様に蚊を媒介して引き起こされる感染症です。
流行地域は広範で、熱帯および亜熱帯地域でよく発生しています。

症状としては、発熱や筋肉痛などが症状として現れます。
予防策としては、蚊による咬まれを避けるための対策やワクチンの接種が有効です。
ワクチンの値段や接種スケジュールについては、お気軽にお問い合わせください。

マラリア

マラリアは、寄生虫であるプラスモディウム属の原虫によって引き起こされる感染症です。
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染します。

流行地域としてはタイを含む熱帯および亜熱帯地域で広く見られ、発熱、寒戦、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状を引き起こすことがあり、感染が進行すると重症化し致命的な場合があります。

予防策としては、前述のように、蚊よけ対策をすることのほかに、抗マラリア薬の予防内服が有効です。
マラリア予防薬は、医師の処方が必要です。

狂犬病

狂犬病はラビエウイルスによって引き起こされる動物媒介の感染症であり、野生動物や家畜との接触によって感染する可能性があります。

このウイルスは唾液を介して伝播し、感染動物の咬傷や傷口によって人間に感染することがあります。

狂犬病の症状は進行すると中枢神経系に影響を与え、興奮や攻撃性、幻覚、痙攣、意識障害などが現れます。
感染が進行すると治療が難しく、致命的であることがあります。

有効な予防法としてワクチン接種があり、咬傷後に適切な処置が行われることで感染の防止が可能です。万が一動物に咬まれたときには、できるだけ早く病院を受診してください。

海外出張時に受けておきたい予防接種

B型肝炎ワクチン:
B型肝炎ウイルスに対する予防接種です。
血液を介して感染するため、感染リスクの高い地域や医療従事者として働く場合に推奨されます。
黄熱病ワクチン:
黄熱病の流行地域を訪れる際に必要な場合があります。
一部の国では入国時に黄熱病ワクチンの接種証明書が必要な場合があります。
日本脳炎ワクチン:
日本脳炎が流行している地域を訪れる場合、特に農村地帯や森林地帯での滞在が予想される場合に推奨されます。
狂犬病ワクチン:
狂犬病感染リスクの高い地域や、野生動物と接触する可能性がある場合に検討されます。
コレラワクチン:
コレラが流行している地域への渡航の際に考慮されることがあります。
ただし、一般的には食事や水の衛生状態にも留意する必要があります。
風疹ワクチン:
風疹感染のリスクがある地域や、妊婦に感染が影響を及ぼす可能性がある場合に検討されます。
インフルエンザワクチン:
季節や目的地によって、インフルエンザのワクチン接種が勧められることがあります。
これらの予防接種に加えて、目的地や自身の健康状態に応じて追加の予防策や注意が必要です。海外渡航前には、旅行医療クリニックや保健所で医療専門家と相談し、適切な予防策を検討することが重要です。

持っておきたい薬

旅行中に持っておくと便利な常備薬は、一般的な健康問題や急な不快症状に対処するためのものです。ただし、個々の健康状態やアレルギーによって適している薬が異なるため、事前に医師と相談してから用意することが重要です。以下は、一般的な常備薬の例です。

抗アレルギー薬:
アレルギー症状に対処するための薬。花粉症や異なる環境に適応するのに役立ちます。
解熱鎮痛薬:
発熱や頭痛、筋肉痛に対処するための薬。アセトアミノフェンやイブプロフェンが一般的です。
抗下痢薬:
食中毒や旅行者下痢に備えて持っておくと便利です。ただし、水分補給も重要なので注意が必要です。
胃薬:
胃もたれや消化不良に対処するためのもの。抗酸化薬や胃腸薬が含まれます。
風邪薬:
風邪症状に対処する薬。のどの痛みや鼻づまりに効果的なものを選びましょう。
絆創膏と消毒薬:
小さな傷やかすり傷に備えて持参します。
虫除け剤:
蚊などの虫刺されを防ぐための虫除け剤。デング熱など感染症対策にも役立ちます。
日焼け止め:
長時間屋外で過ごす際には、日焼け止めが必要です。
水分補給剤:
脱水症状を予防するための水分補給剤。
常備薬の処方箋:
持病のある場合は、処方箋薬を十分な量持参し、かかりつけの医師に相談しておくと安心です。
これらの薬を旅行先で手に入れることが難しい場合や、予期せぬ状況に備えて持っておくことで、旅行中の健康管理がスムーズになります。

クリニックでの
渡航前ワクチン接種の流れ

受診の予約:
・ワクチン仮申込フォームを入力し送信してください。 24時間以内(土日・祝日を除く)に、当院からお電話もしくはメールでご連絡を差し上げ、ご予約確定となります。
※英文証明書をご希望の場合、来院希望日時は申込日から5日後以降の日程をご選択ください。
・事前に接種を希望されるワクチンの問診票を下記よりダウンロードしていただきご記入ください。
ご来院・受付:
・お持ち物:問診票・母子手帳・接種証明書・ワクチン手帳(ある方)
・37.5度以上の発熱があるなどの体調不良時には予防接種を受けることができません。
・当院以外でも予防接種をおこなう場合は、ワクチンの接種間隔にご注意ください。
問診・予防接種の説明:
医師や看護師との面談で、既存の健康状態や予防接種の対象となるかどうかについての問診が行われます。また、旅行歴やアレルギーの有無なども確認されることがあります。
併せて接種予定の予防接種について必要な説明事項や副作用、注意事項などについて説明を受けます。
質問があればお気兼ねなく質問してください。
予防接種の実施:
医師や看護師によって、予防接種が行われます。
注射や経口接種など、予防接種の種類によって異なります。
接種後の観察:
接種後15〜30分間は体調変化の経過観察をしてください。
これは、稀に起こる接種後のアレルギー反応や異常な症状を早期に対処するためです。
また、接種当日の激しい運動は避けてください。
シャワーや入浴は可能ですが、長風呂は避けてください。
1週間以内に接種部位が赤くなったり痛みが出たりなど、何らかの副反応が生じる場合がありますが、ほとんどの場合は数日以内に自然に軽快します。 日常生活に支障をきたすような症状がある場合、気になる症状がある場合は、当院までお問い合わせください。
予防接種カードや記録:
受診後、予防接種を受けたことを証明するための予防接種カードや記録が発行されることがあります。これは、将来の予防接種の際にも参考になります。

最新の感染症発生情報

外務省海外安全ホームページによると、現在は、感染症危険情報は出ていないようです。(2024.01.16 現在)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_007.html#ad-image-0
渡航の際には、外務省の感染症危険情報を確認するようにしましょう。

渡航前に確認しておきたいこと

渡航手続き

タイへの渡航前には予防接種の他にも、いくつかの重要な事項を準備しておくことがおすすめです。
以下は、一般的な渡航前の注意事項ですが、具体的な状況や旅程によっては異なることがありますので、個別の情報を確認することも重要です。

パスポートとビザ:
パスポートの有効期限を確認してください。6ヶ月以上の有効期間が必要となります。
また渡航目的に応じて、ビザが必要かどうかを確認し、必要な場合は取得してください。
現地の携帯電話対策:
現地で携帯電話を使用する場合、ローミングサービスを確認し必要であれば現地のSIMカードを購入してください。
宿泊先と交通手段:
宿泊先を予約し、確認メールや予約番号を携帯します。
現地での移動手段や交通機関について、あらかじめリサーチしておきます。

タイの基本情報

渡航にかかる時間は?:
出発地や利用する交通手段によって異なりますが、日本から航空機直行便の場合、約6〜7時間程度が一般的です。乗継便を利用する場合は乗継地や便によって異なります。
言語の注意:
タイ語が公用語ですが、観光地や都市部では英語が通じることが一般的です。
医療機関においても英語が通じる場合も多いですが、地方や一部の施設では英語をあまり話さないことがあります。
その場合は、通訳サービスの利用を検討しましょう。
文化と宗教:
タイは仏教が主要な宗教であり、多くの寺院が国内各地に存在します。
仏教行事や伝統的なお祭りが定期的に行われています。
料理:
タイ料理は世界的に有名で、辛さ、酸味、甘さ、塩味が絶妙に調和した特徴的な味付けがあります。
トムヤムクンやガパオなどさまざまな料理が楽しめます。

タイでワクチンは打てる?現地の病院は?
現地の医療機関情報

外務省のHPにて、現地で受診可能な病院を紹介しております。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/thailand.html
体調がすぐれない場合は、早めに受診するようにしましょう。

帰国後に体調が
悪くなった場合は?

帰国後の健康チェック一覧

帰国後には、自身の健康状態を確認するために健康チェックを実施しましょう。
体温や症状の経過を注意深く観察し、異常があれば速やかに医療機関を受診しましょう。

発熱した場合は?

海外渡航から帰国後に発熱した場合は、速やかにかかりつけの医師に連絡し、症状や旅行歴などを伝えましょう。医師の指示に従いながら、必要に応じて診察を受けることが重要です。
感染症が疑われる場合は、保健所や指定医療機関の連絡先を確認して指示に従いましょう。
重要なのは、自己診断や自己処置を避け、早めに医療機関に相談することです。特に最近の渡航歴や感染リスクが高い地域を訪れた場合は、感染症の可能性を考慮して医療機関の専門家と連絡をとりましょう。

下痢が止まらない

海外渡航から帰国後に下痢が止まらない場合、医師の診察や検査を受けて原因を特定し、必要に応じて治療を行うことが下痢の改善につながります。自己診断や自己治療には注意し、専門家の助言を受けるようにしましょう。

全国の検疫所の案内

日本国内の検疫所(検疫施設)は、主に国際空港や主要な港湾地域に設置されています。
以下は、日本国内にある主な検疫所の例です。

成田国際空港検疫所:
千葉県成田市に位置しており、成田国際空港に隣接しています。
国際線の旅客や荷物の検疫が行われています。
羽田空港検疫所:
東京都大田区に位置し、羽田国際空港内にあります。
国際線便の旅客や貨物の検疫が行われています。
関西国際空港検疫所:
大阪府泉佐野市に位置し、関西国際空港に隣接しています。
国際線の旅客や荷物の検疫が行われています。
中部国際空港検疫所:
愛知県常滑市に位置し、中部国際空港に隣接しています。
国際線の旅客や貨物の検疫が行われています
福岡検疫所:
福岡県福岡市東区に位置しています。
福岡空港や博多港を拠点に、国際線や国際航路の検疫が行われています。
これらの検疫所では、感染症の予防や拡散防止のために、旅行者や貨物の検疫が行われています。検疫所は、国際的な移動や貨物の流れにおいて、国の健康管理や感染症の予防に重要な役割を果たしています。
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