当院では、防風通聖散と防己黄耆湯の2種類のダイエット漢方を処方しております。
それぞれの特徴を簡単にまとめてご紹介させていただきます。
防風通聖散
防風通聖散は代謝を高め余分な脂肪を分解・燃焼してお腹周りについた皮下脂肪を落とします。また、便通を改善して肥満に伴う便秘やむくみにも効果を発揮します。
効果を実感できるまで2週間~1ヶ月は継続して服用を続ける必要があり、即効性がある漢方ではないので、飲んですぐ効果を実感できるわけではありません。
防風通聖散で痩せる仕組みは以下の通りです。
・脂肪細胞を活性化し、お腹の脂肪を燃焼・分解する
・食事による脂質の吸収を抑制する
・便通を促進し、脂質を便と一緒に体外に排出する
そのため、防風通聖散は代謝が弱く、食事が脂肪として蓄積しやすい人に向いている漢方薬です。
防已黄耆湯
防已黄耆湯とは、胃腸の働きを高め、水分代謝を向上させることで、体の余分な水を取り除くための漢方薬で、肥満や汗っかきで疲れやすい人向けです。6種類の生薬が配合がされています。
防已(ぼうい)
ツル性の植物であるオオツヅラフジの茎や根茎。利尿、鎮痛、消炎作用があり、主に神経痛、関節炎のむくみに効果的
黄耆(おうぎ)
マメ科の植物。傷の回復を早め、水の循環を整え、むくみを取り除く効果
白朮(びゃくじゅつ)
オケラの根茎。過剰な発汗を抑え、抵抗力を強化する効果
大棗(たいそう)
クロウメモドキ科ナツメの果実。脾臓と胃の働きを強化し、営気と血を強化します。また他の生薬の薬理作用を緩和する効果が期待できる
甘草(かんぞう)
マメ科の植物の根や茎。寿命が延びる効果が期待できる。また、大棗と同様に他の生薬の薬理作用を緩和する効果も期待できる。
生姜(しょうきょう)
ショウガ科のショウガの根や茎。食欲増進薬として、新陳代謝機能を促進する効果が期待できる。
防已黄耆湯の場合、むくみ改善については1〜2週間程度の服用で効果が実感できることが多いようです。肥満や多汗などの慢性疾患や体質の改善に対しては、長期の服用で少しずつ効果が出てくると考えられています。