多汗症とは‥
手のひらや顔・頭部・脇・足のうらの限局した部位に多量の発汗がみられる疾患です。
全身に汗が増加する全身性多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。
症状‥
日常生活に支障を来すほどの過剰な発汗です。
症状の重い例では、したたり落ちるほどの発汗が見られます。
多量の汗が出て、ハンカチが手放せなかったり、紙が濡れてくしゃくしゃになったり、スマホが壊れてしまうなど日常生活に支障が出てしまいます。
原因‥
全身性多汗症の場合は甲状腺機能亢進症や糖尿病などが、局所性多汗症の場合は精神的な緊張や末梢神経の損傷などがあげられます。
このように、何らかの疾患によって引き起こされる多汗を、「続発性多汗症」といいます。
多汗症の予防方法‥
食生活の改善
生活習慣の改善
リラックスできる時間を作る
多汗症の診断基準‥
1.発症が25歳以下である。
2.左右対称性に発汗が見られる。
3.睡眠中は発汗が止まっている。
4.週1回以上多汗のエピソードがある。
5.家族歴がある。
6.それらにより日常生活をきたしてしまう。
局所的に過剰な発汗が原因が明らかでないまま6ヵ月以上認められ、以下の2項目以上があてはまる場合を多汗症と診断する。
治療方法‥
何らかの基礎疾患が原因で多汗症状が出ている場合は、基礎疾患の治療が優先されます。
原発性多汗症に対しては治療ガイドラインが定められ、手のひら、足の裏の原発性多汗症には、まず、塩化アルミニウムという外用薬の塗布などがあります。
それで効果が見られない場合は、ボツリヌス毒素局所注射療法があります。
また、内視鏡で胸部の交感神経を遮断する手術療法を選択することもあります。
脇の原発性多汗症に対しては、まず、塩化アルミニウム外用薬による治療を行い、効果が見られない場合はボツリヌス毒素注射療法が選択されます。この場合のボツリヌス毒素注射療法は2012年に保険適応が認められました。
当院では、診断基準を満たしている方に保険診療でのご対応もしております。
医師の判断により、自費でのご案内になる可能性もございます。